結局、消費者はあらゆる事態に備えて消費をセーブしているわけです。そりゃ教育も老後も心配、医療も不安となれば一体誰がお金を使うというのか。それなのに消費増税をやり、今度は軽減税率ときたもんだ。

 消費税に逆進性があることは世界中の経済学者が証明している。いくら金持ちでも、食事は1日10食は食べられません。持ち帰りがどうのこうのと言っていますが、そんなもんで区別するなら、納税額を調べ、年収1千万円以下の人をあのマイナンバーで登録すればいいことです。カードを出せば消費税は3%。出さなければ10%で問題ない。あれだけのお金をかけたシステムをこういう時に使わなくてどうするんだと言いたい。

 所得税の捕捉性も高まるし、自分が一体いくら所得税・地方税を払っているのかも明白になるので、一般の方が地元の政治に敏感になることで首筋の寒い首長もたくさん出てくることでしょう。少なくとも新聞の軽減税率は許されないのではないか? 低所得の人の方が新聞を多く読む、というデータがあるならぜひ見たいものです。

 いずれにせよ、今消費税を上げて日本経済が活発化する材料はゼロだ、と改めて申し上げておきます。

AERA 2018年12月24日号

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