【日産】大宮千絵さん(左):大宮さん立案の「おにぎりアクション」はおにぎりの写真を特設サイトか、#OnigiriActionをつけSNSに投稿するだけという“シンプルさ”が受けた→【TFT】安東迪子さん(右)
【日産】大宮千絵さん(左):大宮さん立案の「おにぎりアクション」はおにぎりの写真を特設サイトか、#OnigiriActionをつけSNSに投稿するだけという“シンプルさ”が受けた→【TFT】安東迪子さん(右)
この記事の写真をすべて見る
【ラマダホテル大阪】森真紀さん(右):現在は職場が離れてしまった二人だが暇を見つけては飲みに行く。「5歳下の私にとっては頼りになるお姉さんです」(粟生さん)→【パソナテック】粟生万琴さん(左)
【ラマダホテル大阪】森真紀さん(右):現在は職場が離れてしまった二人だが暇を見つけては飲みに行く。「5歳下の私にとっては頼りになるお姉さんです」(粟生さん)→【パソナテック】粟生万琴さん(左)

 就活ルールがなくなり、新卒と中途の境目は薄れていく。中途の強みはビジネスで培った人脈だ。幸せな転職をした人たちを訪ねた。

【この記事のその他の写真はこちら】

*  *  *

 おにぎりの写真を投稿するだけで、1枚につき給食5食分に当たる100円が協賛企業から寄付され、アフリカやアジアの子どもたちに給食が届く。

 そんなユニークなプロジェクトを実施しているのはNPO法人「TABLE FOR TWO International」(TFT)。2015年の開始以来、子どもたちに届けられた給食は延べ200万食分。17年には日本マーケティング大賞奨励賞などを受賞した。

 仕掛け人のチーフ・マーケティング・オフィサー、大宮千絵さん(35)は元日産自動車の社員。15年にTFTに転職した。決め手となったのは、TFT代表の安東迪子(みちこ)さん(36)への信頼感だ。

 2人の出会いは9年前に遡る。オリジナルの弁当箱を製造販売し、代金の一部を開発途上国の子どもたちに寄付するプロジェクトに大宮さんは「プロボノ」として参加。その時、「安東さんの、人の意見や提案を常にポジティブに採り入れる懐の深さが印象に残った」(大宮さん)

 一方の安東さんも、大宮さんとはウマが合うと感じていた。

「弁当箱の製造先探しが難航したとき、静岡の工場にひとり飛び込み、話を決めてきた。実行力は抜群でした」(安東さん)

大宮さんが社会貢献に興味を持つようになった原点は自らの闘病体験にある。中学生で突然、重度のアトピー性皮膚炎になって入院し、外出もままならなくなった。幸い治療により治ったが、努力だけではどうにもならないことがあることを知った。

「同じように苦しむ人たちの力になり、恩返しをしたいという思いがありました」(大宮さん)

 TFTの現場では企画の立ち上げから半年で開発・販売に至るスピード感と手応えに充実感を覚えた。ただ、その時点で頭に「転職」の文字はなかった。

次のページ