ちなみに大学教員の求人公募情報は、科学技術振興機構が運営する「JREC-IN Portal」で検索可能。ついでに同様の求人公募情報は、「(♪バイト・仕事探しの)インディード」などの求人サイトに「JREC」と入れても、検索できる手軽さだ。

 実務家教員のニーズも高まっている。人生100年時代を目前にして、文部科学省も推し進めている社会人の「リカレント(学び直し)教育」で、実践的な教育をおこなう教員として求められているのも実務家教員。また来年度からの「専門職大学」でも、専任教員の4割以上を実務家教員とすることが義務付けられているという。

 前出の川山さんは言う。

「現在でも、キャリアチェンジで大学などの専任教員になる人は、毎年全国で2千人と言われています。さらに増えていくことは間違いないでしょう」

 来年度から文科省も、実務家教員の養成を支援する事業を始めるというが、前出の先端教育機構がこの秋にいち早くスタートさせたのが「実務家教員養成課程」だ。

 論文の書き方や授業計画の作り方、また応募時の履歴書の書き方や、多くの大学が教員の選考の際におこなう模擬授業の進め方などを学ぶ。受講生は30代から70代までと年代も幅広く、勤務先も、メーカーから官公庁までさまざま。院卒でない、普通の大学卒の受講生が、大部分を占めるという。

「大学と実社会の乖離に危機感を感じている大学は多い。実務家教員も、教える力や、実践知と論理を融合する術を身につけることで、研究一筋の従来の大学教員とコラボした、新たな研究スタイルが生まれることを期待しています」(川山さん)

 人生、学び続けたい人向けの職業。自分は……ちょっと考えます。(ライター・福光恵)

AERA 2018年11月5日号

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