熱心に向き合うほど、想定よりも費用がかさむ教育費。親は子どものために、どんなことに力点を置いて貯蓄計画を練ればいいのか。
【ファイナンシャルプランナーが提案!教育費をめぐるライフプラン表はこちら】
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「教育費として年100万円をめどに積み立てています。中学受験もしたいのですが、もう1人子どももほしい」
都内で2歳児を育てる会社員の女性(34)は、漠然とした不安を抱えているという。
価格が明らかな住宅購入費と違って、教育費はいくらかかるか不透明だ。計算すると、幼稚園から大学まですべて公立に通えば、総額は約1100万円になるが、私立なら一気に跳ね上がる(表参照)。学校だけでなく、評判のいい幼児教室に通わせたい、留学させたいなど、かけようと思えばいくらでもかけられる。まさに青天井だ。
アエラが行ったアンケートでは、大学入学前までに、1千万円以上の準備を予定しているという家庭もあった。
一方で、「大して準備をしていない」家庭も。17歳と15歳を育てるパートの女性(49)がそうだ。
「児童手当と、入学祝いなどはためておいたが、積み立てはしてこなかった。子育てにこんなにお金がかかるなんて」
2人の子どもが中学から私立に通うようになり、もっとためておけばよかったと後悔する。
「教育費はいったんかけ始めると、定期的に必ず出ていく固定費になりやすく、途中で削るのは困難です。子どもが小さいうちに計画を立てることが大切」
そう指摘するのは、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さん。教育費の計画の立て方として次の4ステップを提案する。
(1)夫婦で教育方針を共有する。私立の中高一貫校に行かせたいのか、留学させたいのかなど。
(2)ライフプラン表を作る。家族それぞれの年齢、入学や卒業、定年などのライフイベントを書き込み、子ども1人あたりの教育費が年100万円を超えそうな時期と、住宅ローンの返済期間に線を引く。
(3)ピークの時期はいくらくらいの支出になるのか、どのタイミングかチェックする。