
俳優のユアン・マクレガーさんが、AERAの表紙に登場。映画「プーと大人になった僕」にクリストファー・ロビン役で主演したマクレガーさんに、演じることへの思いなどを聞いた。
映画「プーと大人になった僕」での初来日でファンサービスにたっぷり1時間をかけ、本誌の短い撮影中も気さくにやりとり。少年の面影を残す優しげな青い瞳にやわらかなスコットランドなまり。まぶしいほどのナイスガイだ。
「僕は楽天的でイージー・ゴーイング。あんまり悩まないだけ。はっはっは」
本人は笑うが、ただの「優しい、いい人」でもない。あるハリウッドスターが撮影現場でわがままを言いだしたとき、クルーの前でたしなめたという逸話も伝わっている。
「映画はチームワークだからね。僕はチームの一員として貢献するのが楽しいんだ。たとえば“オレの完璧な演技”を追求してカメラクルーの都合を考えない役者もいるけど、僕の場合、カメラとダンスするように動いている瞬間にゾクゾクくる。役者は映画制作というプロセスの一部だと思う」
主演からアンサンブルまで器用にこなし、出演作も多い。今回、「プー」で演じた父親役のような仕事中毒?
「えー、そういうんじゃないよ。演技が好きで好きでたまらないだけ。脚本を読むと、こうやろう!ああやろう!ってアイデアが出てきて夢中になっちゃう。二十数年たってもまったく変わらない」
昨年、テレビドラマ「FARGO/ファーゴ3」で一人二役を演じ、ゴールデングローブ賞を受賞した。ただし、根っからの映画好きゆえに、大物スターが映画からテレビに移っていく趨勢については複雑な思いだ。
「大きな変化だからね。テレビドラマだと映画よりも時間が長いから知的でひねったプロットが作れる。そこはいいと思う」
ちなみにこの日のスーツの足元はスニーカー。ロサンゼルス在住ながら、英国俳優好き女子のツボもつきまくりなのでした。(ライター・鈴木あずき)
※AERA 2018年9月24日号