教えたいテーマがある人はまず人事部へ相談。アドバイスを受けながら講座の準備を進める。17年度には119回も開催され延べ2千人が参加した。SNACKを担当する人事部の塚谷一貴さん(39)は、

「講座の内容は仕事に直結しないものも多いですが、事務局は内容だけに注目し、サポートしているわけではありません」

 と言う。塚谷さんがそのことが大切だと気づいたのは透明な器の中でコケを育てる「テラリウム」の講座に自ら参加したときだ。小さな器の中に自分の世界が広がることが楽しくて、エゾシカのミニフィギュアを入れ、植えるコケの本数にこだわるなど没頭した。自分の中にそんな感覚が生まれたことに驚いた。

「部署や担当の垣根を越えて参加者が交流することと、自分がこれまで知らなかったことに触れることで、何かに気づき、視野や世界が広がることがSNACKのよさだと思います」(塚谷さん)

(編集部・深澤友紀、石臥薫子、ライター・澤田憲)

AERA 2018年9月17日号より抜粋