こうした状況下で、府知事、市長という「大阪ダブル首長」をおさえ、独自の政策を進める。大阪での影響力がさらに強まる。

 大企業や労働組合などの支持母体を持たない維新だが、「維新を絶対に支援する」という多くの有権者が“岩盤”となり、選挙での基礎票となっているようだ。

 大阪での維新と同じように、名古屋市や愛知県では、地元で生まれた減税のトップ、河村市長の発信力が大きい。

 今回の選挙戦、河村市長は街頭演説で、

「名古屋のことは名古屋で決めよう」

 と声を上げ、維新との対決姿勢を強めていた。

 選挙後、河村市長にその点を聞くと、

「今年1月くらいかな。維新側から『減税の公認をはずして維新一本でやってくれ』『政策も維新に合わせて』といったとんでもにゃぁ話がきた。何を言っとるのかと。名古屋、愛知のことを大阪で決められてはたまらん。うちも維新も地域主権だったはず」

 と打ち明け、こう続けた。

「即座に断り、共闘関係もやめてガチンコで勝負した結果、維新をこてんぱんにやっつけた。名古屋、愛知では維新はそこまで知名度も支持もない。大阪と勘違いしてもらっては困る。メディアはワシのことをええように報じないが、こっちでのワシの露出度は維新よりもはるかに多い。名古屋のことを維新が決めてもらっては困ると、有権者が答えを出してくれた。サンキューベリーマッチだ」

 ただ、大阪と違い、愛知県は県知事と名古屋市長は同じ政党ではない。河村市長は現在4期目で、任期は2025年4月まで。次の市長選には出馬しないと公言している。その後も影響力を維持することができるのかが課題となりそうだ。

(AERA dot.編集部 今西憲之)

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