そんなとき、東京都文京区の成澤廣修区長が2週間の育児休業を取ったとニュースで見て、これだと思いました。特別職の市長や副市長も一般職員のように育児や介護のための休暇が取れる条例を市議会に提案。出産準備の5日間と、出産前後の2週間、育児休業を取りました。
でも、市政が気になって、育休中にも市庁舎に来て少し仕事をしちゃいました。職員からは、「市長が休暇中に仕事をしてたら俺たち取れないですよ」と言われ、しまったなーと。制度だけでなく休みを取りやすい雰囲気をつくることも大事だと痛感しました。当時は男性職員の育休利用はゼロでしたが、今では100%に。両親が一緒に子育てし、家族で時間を共有することはとても大事だと思います。
若いうちに子どもを産むほうが将来設計は立てやすい。でも、僕の20代は挫折や回り道ばかりで余裕がなくて、あの頃だったらちゃんとしたパパになれていなかったと思うんです。物事を俯瞰して見られるようになり、責任のある立場に立った 40代後半に授かったからこそ、子育てにも積極的に関われるし、部下が子育てしやすいよう職場の環境を変えることもできる。市長としても父親視点を持ってこまやかな子育て支援を実現しています。保育所へバス送迎する駅前ステーションや4歳児の目の健診なんか、他ではなかなかないでしょう。子育て環境日本一目指していますからね。
(編集部・深澤友紀)
AERA 年6月25日号より抜粋