ママ友とカラオケに行くと選曲に年齢が出る。聖子ちゃんを熱唱すると気持ちいいが、周囲の目が……(撮影/写真部・片山菜緒子、立体イラスト:kucci)
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年の差ママ友とのコミュ術(AERA 2018年6月25日号より)

 年を重ねてから親になると、ただでさえ難しいママ友との関係が年齢差からより複雑なものとなる。そんな年の差ママ友とのコミュニケーションに関する悩みに答えます。

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 滋賀県在住の女性(38)は、1歳の女の子を育てるママ。育休中は、ママ友との距離を感じざるを得なかった。

「年齢が1世代違うからか、話が合わない。ママ友と呼べる人がいまだにできません」

 都会では珍しくないアラフォーママも、エリアによっては皆無に近い。子育てサロンで出会うママたちは、ほとんどが20代で、たまにいても30代前半。子どもの話はするものの、好きなものもまるで違い、サロン外での交流には至らなかった。

「自分はLINE以上の関係にはなれませんでした。子育てサロンは子どものために通うオフィシャルな場という感じです」

 現在は職場に復帰。子どもの話題を介さなくても一緒に盛り上がれる同僚がいるから、こうしたモヤモヤからは解放されつつあるという。

 大人になって、しかも子どもを媒介にするママ友コミュニティーは、ただでさえ距離感や付き合いが難しい。そこに年の差というハードルが加わると、さらに複雑な関係を生むようだ。

 東京都大田区に住む女性(40)は、並々ならぬ気の使われようを感じずにはいられない。8歳の長男の子育て中は、ママ友同士も年が近く、こうした思いは生まれなかった。下の娘は現在1歳。公園で遊んでいると、よくおもちゃを譲られるというのだ。子どもが他の子のおもちゃで遊びたくなり手にした時のこと。持ち主の子どもが泣き出した。するとすかさず持ち主のママが「どうぞ~。使ってください」と差し出したのだ。「大丈夫ですよ」と返そうとしても、「いえいえ、使ってください」と差し出される。

 こんなことが別の人からも何度も繰り返されると、ついこう思ってしまうのだ。

「姉御風を吹かせているつもりはないけれど、年上だからと気を使われているのかな……」

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