「ウソをつくのは泥棒の始まりだと小さいときから厳しく言ってきたのに。怒るほうがいけないのでしょうか。悪いことは悪いと教えなきゃ、甘いとしつけにならないと思っていました」



 そう言って途方に暮れる女性によると、長女が何か失敗すると父親からげんこつが飛んでくることもあるという。男性教諭が話したように、失敗を恐れ親に知られないよう必死にウソをついているのかもしれない。

『子どものウソ、大人の皮肉』の著書がある東京学芸大学国際教育センター教授の松井智子さんは「子どものウソは、心の発達と成長の証しであり、何らかのSOSであるパターンはとても多い」と話す。(ライター・島沢優子)

AERA 6月11日号より抜粋