5月7日に合流新党「国民民主党」が誕生する。これまで民進党と希望の党は国会での統一会派結成を目指したが、民進党の一部議員の反発で頓挫。最終的には希望の党が分党する形で、両党が一つにまとまることになった。ただ、新党には両党議員の約4割が加わらない意向を固めており、衆院での野党第1党には届かない情勢だ。
新たな政党の誕生も、高揚感はない。むしろ、ウンザリ感が聞こえてくる。あるベテラン秘書はこう話す。
「民主党という名前がオワコン。何でまた新たな党名に入れ込むのか。新党名に関する議論のなかでは『民主党でいいじゃん』と言い出す議員までいた。政権を自民党に奪われた2012年に民主党という名前は捨てるべきだった。それなのに、『まだ言ってるの?』って感じです」
最終的に決定した「国民民主党」のほかにも、「立憲自由党」など別の具体案もあった。なかでも異彩を放った案が「新党ゼロ」だ。オリジナルソングを挿入した約3分間のプロモーションビデオ(YouTube上でも公開)まで準備された。見ている執行部や同僚議員には耳の痛いメッセージが、次々と映像上に現れる。
「支持率ゼロ。これが僕らの現実」
「今、僕らに必要なのは自分たちをゼロと認める勇気」
「昔の名前を取り戻しさえすれば、栄光が戻ってくるわけじゃない」
「しがみつく者ほど生き残れないこの時代に、潔く負けを認めよう」
「たとえ耳を傾けられなくても、何度でも信じたことを言い続けよう」
この「新党ゼロ」を提案したのは6人の衆院議員。関健一郎(39)、青山大人(39)、浅野哲(35)、緑川貴士(33)、森田俊和(43)、伊藤俊輔(38)と、全員が希望の党の1回生議員だ。
関さん(比例東海)はこう話す。
「どう見られているかという視点が欠け過ぎている。国民民主党という政党名に決めてしまうのですから。これは致命的です。民進党、希望の党の支持が上がらないのは、民主党への嫌悪感がある。国民は民主党政権時代を忘れておらず、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、になっている」
そしてこう続けた。