そして、エフゲニー・プルシェンコの紹介には、「憧れの存在であり、自分がこの競技に熱中するきっかけとなった人。ソルトレークオリンピックでの彼の演技が、僕がオリンピックで金メダルを取りたいと思うきっかけになった。圧倒的でかっこよくて、僕にとってはヒーロー」と熱を込めた。
昨年11月、羽生がオリンピック前にケガを負ったつらい時期に、プルシェンコが「結弦は別次元の選手。早い回復とオリンピックでの活躍を祈っている」というメッセージを発信したことに関して、自分を信じて待っていてくれたことが印象的だったと羽生は語った。
「復帰するまでのつらい時間の中で、すごく勇気をもらい、前向きになれるきっかけをもらった。今でも、スケート界の神だなと思う。永遠の憧れ」
そんな素晴らしいスケーターたちの演技の合間に盛り上がったのが、羽生のトークコーナーだ。羽生が記者になりきり、初日はジョニー・ウィアーをゲストに迎え、自らが考えた質問をぶつけた。「憧れの人は?」という質問に対して、「今の自分にとって、スケートをやろうというモチベーションを上げてくれる存在は、メドベージェワ選手と羽生選手です」と自分の名前が出ると、「ありがとうございます」とほほえんだ。(文中敬称略)
(ライター・まつざきみわこ)
※AERA 2018年4月30日-5月7日合併号より抜粋