今回の「書店員さんおススメの一冊」は?(※写真はイメージ)
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『ロシア語だけの青春 ミールに通った日々』は、言語学者の黒田龍之助さんによる最新のエッセーだ。東京堂書店の竹田学さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

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 現代の語学伝道師とも言うべき黒田龍之助が、自身の原点であるミール・ロシア語研究所に通った日々を振り返る。

 ミールでは徹底的に発音を訓練し、例文を暗唱してロシア語を体にたたき込む。ひたすら発音、ひたすら暗唱。発音を繰り返し、ダメ出しされながら予習復習に励み、せっせと語彙を増やす日々。授業後の魅力的な人々との飲み会も著者の楽しみの一つだった。

 本書を通読すると、ミールでは昨今の語学教育が見失った外国語を学ぶ根本的方法が実践され、学ぶことの意義も伝授されていたと実感する。

「語彙と文法の限界は自分の限界」など著者の箴言的な助言は、外国語への向き合い方の基本も教えてくれる。本書は外国語を学ぶこと自体の喜びと、それに打ち込んだ青春のまばゆさに満ちている。読後、勉強欲に駆られること間違いなしだ。

AERA  2018年4月23日号