でも、太田さんは最近、後輩選手に言い続けていることがある。それは、「お前ら、絶対英語勉強しろよ」。

 フェンシングに限らず、国際試合の舞台で英語のできない日本人選手はいまだに多いという。非英語圏の外国人コーチが8割しか伝えられず、自分も7割しか分からなければ、「8×7=56%の意思疎通しかできない。44%もロスしている」。英語ができれば審判との会話でジャッジの方向性を探れる。国際規格の動向も読み解ける。選手間交流も実現する。

「それに英語は、自らのセカンドキャリアにも生きてくる」

 引退後、コーチを目指しても、国内ポストがなければ順番待ちだが、「英語ができたら外に出て未来を変えられる」と力を込める。

「順番待ちほど、ダメな人生はないですから」

(ライター・加賀直樹)

AERA 2018年3月5日号

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