勧められても“立ち入り禁止”の金融商品は……?
勧められても“立ち入り禁止”の金融商品は……?
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いずれも無駄なコストがかかりがちな金融商品。せっかく投資したのに、利益が手数料に食われていく
いずれも無駄なコストがかかりがちな金融商品。せっかく投資したのに、利益が手数料に食われていく

 老後資産や子どもの学費などのために資産を形成しなければならない現役世代が手を出してはいけない金融商品がある。それらは証券会社を始めとする「金融機関側が儲かる」仕組みになっている。

【金融庁がダメ出しするマネー商品はコレだ】

 アエラ増刊『つみたてNISAとiDeco入門』から、“手出し無用”の金融商品について紹介しよう。

■不安をあおって高コスト商品を売る

 老後不安、インフレリスク、教育費…… これらは資産運用を勧めるコンテンツでよく見られるキーワードだ。しかし、経済評論家の山崎元さんはこう警告する。

「不安をあおるのは、手数料の高い金融商品を売るための常套手段です。だまされてはいけません」
 
 運用にかかるコストが高いと、本来運用に回せるはずのお金まで金融機関に支払うことになる。

■金融庁も「ダメ出し」

「高コスト商品は現役世代にも高齢者にも、すべての投資家にとって不利であり、投資対象として不適切です。それでもよく売れているのは、こうした商品は『金融機関が儲かる仕組み』になっているから。金融機関が顧客に向けて、がんばって売っているのです」(山崎さん)

 高コスト商品に対しては、監督省庁である金融庁も「平成27事務年度 金融レポート」で問題点を指摘している。

「より低コストで同じ経済効果を得られる選択肢があるにもかかわらず、(中略)顧客のニーズよりも、販売・製造者側の論理で金融サービスを提供しているのではないか」と、かなり踏み込んだ記述もあるほどだ。

 やり玉に挙げられる金融商品のひとつが、毎月分配型投資信託だ。お小遣い感覚で分配金を受け取ることができるといううたい文句で根強い人気だが、山崎さんは問題点をこう説明する。

「頻繁に決算して分配を出すと、複利効果を損なううえ、そのたびに税金を取られてしまいます。しかも、こうした投信の手数料は販売時に3%、毎年差し引かれる信託報酬は1.5%ほどに設定されているものも多い。こんなに高い手数料水準では、資産を増やすことは難しい」

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