【ニュージーランドでは意外なディープ産駒が大ブレイク!】

 数多くの活躍馬を出したディープインパクトの産駒たちの中ではG1馬ながら地味な存在だったサトノアラジンを覚えているだろうか。ディープインパクト産駒としては珍しく晩成で3歳クラシックは菊花賞6着以外は縁がなく、2017年に6歳で制した安田記念は7番人気での勝利。しかもその後はG1で見せ場を作ることなく引退だっただけに印象が薄いという方もいるかもしれない。

 だがそんなサトノアラジンは現在、ニュージーランドで評価急上昇中の注目種牡馬となっている。シャトル種牡馬として繋養されて送り出した産駒の中から現2歳のトウキョウタイクーンが今年3月のG1システマステークスを制覇したのだ(ただしレース後に禁止薬物が検出され、失格の可能性が浮上中)。

 ひとつ上の3歳世代からもG1ニュージーランドオークスとG1オーストラリアンオークスを連勝したペニーウェカが台頭し、そのほかにもジャパニーズエンペラーがG1オーストラリアンギニーで3着に善戦。ニュージーランドのセカンドシーズンサイアーと2歳リーディングサイアー部門を独走している。

 この大活躍を受け、先日には繋養先のリッチヒルスタッドがサトノアラジンの来季種付け料を今季の1万2500NZドル(約104万円)から4万5000NZドル(約375万円)へ約3.6倍も跳ね上げることを発表したほどだ。

 ちなみにニュージーランドでは、ディープインパクト産駒とはいえG1未勝利(主な勝ち鞍はG3富士ステークス)のステファノスも大健闘。引退後に現地スタッドに購入されて種牡馬入りすると、今年4月1日の2歳G1マナワツサイアーズプロデュースステークスを牝馬のピニャンが制覇し、父に現役時代と引退後を通じて初のG1勝利を贈っている。

【今後も期待の種牡馬たちが続々】

 すでに結果を出したこれらの種牡馬だけでなく、前述のモーリス産駒ヒトツも引退して種牡馬入りしており、グラスワンダーからスクリーンヒーロー、そしてモーリスとつないできた父系をオーストラリアでさらに伸ばす活躍が期待されている。

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