がんは生活習慣の見直すことで遠ざけることができる。がん発症のリスク要因となる生活習慣とは何か、5つの視点からがんを予防する方法を紹介する。
【図表で見る】五つの健康習慣を実践するとリスクはこう低下する
●予防1 身体を動かす量
日常生活を活動的に過ごす習慣が大事。身体活動の単位を「メッツ」と呼ぶ。1メッツは座る、2メッツは立つ、3メッツは普通に歩く強さ。厚生労働省は、買い物や部屋の掃除、子どもの世話など、3メッツ以上の強度の身体活動を毎日60分で週に23メッツ、ウォーキングなど息が弾み軽く汗をかく程度の3メッツ以上の強度の運動を週に60分行うことを推奨。
●予防2 理想的なBMI値
BMI値が30以上の肥満体形はがん死亡リスクが30%ほど高いことがわかっているが、日本人ではそこまでの高肥満者は男女とも数%。日本人の場合、逆にやせすぎている人こそ注意が必要だ。中高年時点におけるBMI値が、男性では21~26.9でがんのリスクが低く、女性では21~24.9で死亡リスクが低い。
●予防3 非喫煙
たばこは、あらゆるがんの最大のリスクファクター。たばこを吸っている人は禁煙する。受動喫煙もできるだけ避ける。夫が喫煙者だった場合の妻の肺がんリスクは、約1.3倍。
●予防4 節酒
健康的に長生きし、がんにかかったりしないためには、飲酒量を日本酒換算で1日1合まで(ビールなら大瓶1本、ウィスキーはダブル1杯、ワインはグラス2杯に相当)、1週間で7合まで。この範囲内であれば、休肝日のあるなしはがん予防に差はない。毎日飲むなら1日1合程度。2合以上飲む日があるなら休肝日をもうけて。毎日3合以上の過剰飲酒はハイリスク。
●予防5 食生活を見直す
偏りなくバランスよく食べること。野菜や果物は、1日350~400gを目標に取る。塩分や塩蔵食品はほどほどに。食塩摂取の目安は、1日あたり男性で8g未満、女性で7g未満。たらこ、塩鮭、塩辛、練りウニなど高塩分食品は週1回程度に。
(ライター・三浦天紗子)
※AERA 2018年2月12日号より抜粋