福山雅治が映画「マンハント」で初めて、本格アクションに挑戦した。監督は「レッドクリフ」などで知られる名匠ジョン・ウー。日本映画を愛してやまない監督が、日本を舞台に圧倒的なスケールで描く男と男の絆の物語だ。福山に「痺れた」と言わしめたジョン・ウー作品の現場とは、どんなものだったのか。そして、福山のアクションは──。
──完成した映画をご覧になっていかがでしたか?
福山雅治:僕はアクション映画はほぼ初めてで。監督に納得していただけるアクション表現ができたかどうか心配だったのですが、自分で言いますけど、監督のおかげでカッコイイ作品に仕上がっていました(笑)。監督、ありがとうございます。
ジョン・ウー:福山さんの演技は想像以上に素晴らしかった。本当にかっこよく決めてくれました。バレエのような優美さもあれば、パワフルな力強さもある。美しさと強さを兼ね備えたアクションは、なかなかできるものではありません。
福山:監督とは以前、ビールのコマーシャルでご一緒させていただきまして。
ウー:あのときはマーケットで悪人と戦うシーンがあったのですが、福山さんはワイヤーで空中を飛ぶシーンも楽しそうにこなしてくださった。二丁拳銃の扱いも美しかった。もちろん高い演技力もお持ちなので、今回、出演をお願いしたんです。
──この作品のモチーフは、高倉健さんが主演した1976年の映画「君よ憤怒(ふんぬ)の河を渉れ」の原作小説ですね。福山さん演じる孤高の刑事・矢村が、殺人事件に巻き込まれたチャン・ハンユーさん演じる弁護士を独自の捜査で追い、次第に彼との絆を深めていくストーリーです。
ウー:オリジナルの映画は中国でも公開され、大ヒットしたんです。刑事役は原田芳雄さんが演じていましたが、福山さんは物腰がやわらかで、優しさと強さをあわせ持っている。あのキャラクターでは冷徹すぎるので、より人間味のあるキャラクターにしました。
福山:チャン・ハンユーさんが弁護士で僕が刑事ですから、設定上、戦闘のプロは僕だけで。アクション映画の戦闘を担うのが僕ということになるわけで、かなりのプレッシャーでしたね。撮影がないときはずっとアクション練習をしていました。
ウー:福山さんは非常にクリエイティブなマインドも持っている。刀を使って戦うシーン、あれは福山さんのアイデアで実現できたんです。