「子ども手当は児童手当と名前を変えましたが、元をたどれば扶養控除だった、というわけです。それは生存権に基づくものなので、所得制限なしに支給すべきだという論理なのですが、今や基礎控除ですら所得金額2500万円超の人はゼロですよ。扶養控除よりも基礎控除のほうがもっと生存権に関わると思うのですけれど、そこには所得制限が設けられている。しかし、それは憲法違反なので裁判を起こした、という話は聞いたことがありません」

■高齢者を説得してほしい

 児童手当の支給金額や所得制限は、「人権と結びつくものではなく、所得の再分配という政策判断の範疇」というのが土居教授の見解だ。

「児童手当の給付を重視する方々に言いたいのは、財源をどう確保しますか、ということです。結局のところ、誰かの負担増あっての給付増ですから。少子化対策は今の高齢者には恩恵がありませんが、岸田首相には身を挺してでも、若い人たちのために負担増をお願いします、と説得してほしい。願わくは、高所得の高齢者にもある程度の負担をしていただければ、ベストだと思います」

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)