特に松也さんが「感じ入るものがある」と語るのは、惑星ダゴバでジェダイマスターのヨーダがルークに授けた、

「Feel it.(感じるのだ)」

 というジェダイの教え。木にも石にも、あらゆるところに宿るフォースを、感覚を研ぎ澄まして操る術を説いた言葉だ。ジェダイの教えを語る上で重要なシーンでもある。

「演じるということは、数字やデータに結果がはっきり出てくるものではないし、何をつかめばいいという正解もない。だからこそ『感じる』ことをすごく大事にしています。難しいです。神秘的なことですよね」

 限られた舞台装置で、当時の文化を観客に想像させる歌舞伎の世界。ジェダイがフォースを操るのに必要な“感じる力”と同じものが、演技にも求められている。

 18年で4年連続「新春浅草歌舞伎」に出演するなど、若手歌舞伎俳優のリーダー的存在だが、人の上に立つ力も最初から備わっていたわけではなかった。一度はアナキンのように、「ダークサイド」に落ちかけたこともあるという。

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