4月19日、原口氏は、立憲民主党から衆院補選の山口4区に立候補した有田芳生氏の応援に向かった。

 佐賀県からは車で3時間近くの道のりだった。それでも原口氏は、有田氏の応援演説でマイクを握ると、

「佐賀から這(は)ってでも有田さんを応援したいと思って来ました。おまえは髪の毛あっただろうと言われました。ある病気でこうなりました。昨日、治療をしました。今日外に出てはいけないと言われました。しかし有田さんをなんとしても当選させたい。命をかけてきました」

 などと鬼気迫る演説をした。

 一方の有田氏も、

「原口さんがツイッターで『這ってでも行く』と書いていたので、何だろうと思っていました。街宣現場でお会いしたとき頭髪がなかったので、抗がん剤の影響だとすぐわかりました。本当は休んでいなければならない日に応援に来てくれて、熱弁を振るってくれました。選挙の応援というレベルを超えて、感動を受け取りました」

 と感謝を口にした。

 原口氏が自身の大病を公表するのは、今回が初めてではない。

 2016年12月に国の指定難病の「骨形成不全症」であることも公表している。

 そのとき、原口氏にメッセージを送ってきたのが安倍元首相だった。安倍元首相も、潰瘍(かいよう)性大腸炎という難病を抱えていた。

 メッセージにはこうあった。

「政治家として難病の告白は難しい決断ですが、頑張る原口さんの姿に難病に苦しむ多くの人たちも勇気づけられることと思います。ご快復(かいふく)をお祈りします」

 病名は違うが、難病を抱えた政治家として、激励する内容だった。

 原口氏がこう話す。

「当時、安倍元首相の励ましは非常に勇気づけられました。今回の悪性リンパ腫をなんとか克服して、政治家としてしっかりとやっていきたい」

 現在続けている治療は6月に終わる見込みだという。

(AERA dot.編集部 今西憲之)