──いろんな死を間近に見てきて、精神的負担の重さを感じることはないのですか?
B:女性看護師の場合は、患者によるセクハラ被害が頻繁に起こるんですけど、私の同僚は胸を揉んできた患者さんがその翌日に亡くなって「冥土の土産になったかな」と苦笑していました。あれは、たくましいなと思いましたね(笑)。あと、独り身の高齢者だと片づけができない患者さんが非常に増えているのですが、看護師はゴミ屋敷のような自宅でも平気で看護を行います。私も強烈なところだと、布団の周りにおしっこの入ったペットボトルや大便の入ったバケツが並んでいる患者さんの自宅に通っていたことがあります……。
──終末医療の現場はトラブルが多そうですね。
B:セクハラは、男性看護師でもありますよ。私は、末期がんの旦那さんを持つ若い奥さんに言い寄られたことがあります。訪問看護の時間に行ってみると毎回、お風呂上がりのあられもない格好で奥さんが現れるというケースもありました……。