
ソチ冬季五輪で銀メダルを獲得したスノーボード女子アルペン・竹内智香選手が「AERA」で連載する「黄金色へのシュプール」をお届けします。長野五輪を観て感動し、本格的に競技をスタート。2018年2月の平昌五輪では念願の金メダル獲得を目指す竹内選手の今の様子や思いをお伝えします。
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選手として自分自身と向き合う中で気がついた。必ずしも「努力=結果」ではないと。己を知り、自分の能力にプラスをするのが、努力だと思った。
どんな競技でも、アスリートと言えば体を鍛え、フィジカルトレーニングを積むことが当たり前だと思われています。ただ、私が本格的にジムなどで体を鍛え始めたのは、実は2014年のソチ五輪後、もっと言えば昨年のケガ以降のことなんです。
私も23歳ぐらいまでは結構やっていました。拠点が日本だったその頃は、吐くまで追い込むこともあった。でも、思うように結果が出ませんでした。
それが、07年からスイスに拠点を移し、フィジカルトレーニングをやめた途端に結果が出始めたのです。そして世界ランキングも3位まで上昇。若さもあったし、過去のトレーニングの貯金もあったと思います。でも、スイスの生活や環境に慣れることを優先したこと、アスリートである以前に人間としての自分を見つめ直したことで、結果が出るようになりました。