「電子工作って、店でもウェブでも結構初心者に厳しかったりしてハードルの高い世界でした。『ヘボコン』はどんなロボットでも出られるし、コンテストに遅刻しても許される。その緩さに助けられています」
●交流が「主」で趣味は「従」
YouTubeを通じてコンセプトは共有され、コミュニティーは世界中に生まれた。ネット時代、ライト時代の申し子ともいえるムーブメントだ。
人付き合いが「主」で趣味は「従」となることで、意に沿わないことをする局面も増える──それが本特集で取り上げている「趣味圧」なのかもしれない。だが、時代の流れに逆行する動きも存在している。年6千講座、約60万人が受講する様々な趣味講座を提供している「朝日カルチャーセンター」では、発足後まもない70~80年代に比べて「概説」「入門編」といった講座が減り、より深い各論講座が増えたという。
「趣味を人との交流の手段にしようとする人は減ったと感じます。団塊の世代、特に男性にその傾向が強く、教室内でのノートの貸し借りや飲み会みたいなものも減りました」(担当者)
コミュニケーションが必要な趣味の講座も減っている。
「趣味が『個』のものになっていると思います」(担当者)
(編集部・福井洋平)
※AERA 2017年7月31日号