2000年に本のECサイトとして日本に上陸したアマゾン。いまやあらゆるものを扱い、他の追随を許さない巨大ECサイトに成長した。一方で、アエラが行ったアンケートでは、回答した137人のうち「アマゾンを使っている」と答えた人が96%。同時に、「できれば使いたくない」と答えた人が44%もいた。拡大の原動力は。便利なのに不安にさせるものの正体は。AERA 2017年7月24日号では「アマゾン」を大特集。
アマゾンが日本でサービスを始めたのは2000年。翌01年から社長を務めるジャスパー・チャンさん。インタビューには英語で応じたが、何かを思い出そうとしたとき、口から出たのは「なんだっけ?」。相当な日本通だ。
──アマゾンの日本進出から17年目。世界の中で、日本はどんな市場ですか。
一貫して重要な市場です。アメリカ、ドイツに次いで世界で3番目に大きく、ポテンシャルも高い。日本には14の物流拠点(フルフィルメントセンター、以下FC)と六つのプライムナウ専用拠点を置き、4400人の社員を抱えていますが、このこと自体、日本がわれわれにとって重要な投資地域であることを示しています。
日本はモバイルショッピングの分野では最も先行する市場で、アマゾンジャパンは世界のどこよりも早く、モバイルビジネスユニットという部門を作りました。これによって、他の国々でやるべきこと、やってはいけないことを考えることができています。
日本独自の文化がイノベーションのきっかけになったこともあります。日本では、電子書籍リーダーでのマンガの消費方法が文学作品などと異なります。それに対応することが、ページめくりのスピードやストレージのイノベーションにもつながった。「Kindle Paperwhiteマンガモデル」は日本のお客さまのために開発されました。
●ブレないミッション
──意思決定はどう行われますか。グローバル戦略の中で米国が決めるのか、チャン社長が決断・実行するのか。