どちらの場合もあります。それ以外のこともあります。グローバル企業ですから、どこかの国でいいアイデアやテクノロジーが生まれれば、それを他でも活用しようと考えます。日本のチームは日本のお客さまのためによりよいソリューションを考え、他国のチームも同じように考えて、より高いアイデアがやりとりされる。これをグローバルな形で行っています。

 世界の国を横断的に見ているチームも多くあります。私だけでなく、アマゾンでは何千人もの人が日本を見ている。そこからイノベーション、ソリューションが生まれます。

──米国と日本で意見が食い違うことはないのですか。

 われわれは世界中で同じミッションを遂行しています。世界一顧客志向であること、世界で求められるあらゆるものを品ぞろえすることです。ここは一貫していて、ブレることはありません。

 お客さまが求めるのは、たいていの場合は基本的なことで、それは品ぞろえや価格、利便性ですから。14のリーダーシップ・プリンシプルも、すべての国、部門、カテゴリーで共有されています。

──日本国内のライバルへの対抗策など、ローカルな戦略の場合はどうでしょう。

 カスタマーエクスペリエンス(CX)の構築をするときには、いろいろな方法を考えます。競合他社に関することは一つの情報ではありますが、あくまでも一つのインプットにすぎません。われわれがすべきことは、競合ではなくCXに注力すること。いろいろなインプットを得てソリューションを提供することが重要です。

●会員数よりプログラム

──「世界一の顧客志向」がミッションだそうですが、どうやって顧客の志向をつかむのですか。

 われわれはお客さまとのやりとりが多い企業です。たくさんの方がウェブで価格をチェックしてくれて、レビューを見たり、書いたりしてくださいます。それらを通じて、お客さまが何に不満を持ち、何をしてほしくないのか、逆に、何を欲しているのかがわかります。

 カスタマーサービスでも、数多くの電話を受けたり、チャットメッセージをやりとりしたり、電子メールの問い合わせを受けたりしています。もっとパフォーマンスを高めてくれ、もっと品ぞろえを増やしてくれ……。こうしたコメントは、お客さまからの価値あるプレゼントです。私自身もお客さまからメールをいただくことがありますが、時間をかけて読んで、改善すべき点のヒントにしています。

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