羽生善治さんは、「誰に対しても明るく朗らかでスター性のある方」と振り返った。

●「笑顔になれますように」

 グリー会長兼社長の田中良和さんは、「対談時に私の日記まで読みこんできて、『自分で生きようと思っている人が生きている人なんだなと思うようになった』というコメントを取り上げてくれた。ブログやニュースなどを拝見すると、まさにそういう生き方をされてきたのだと思います」と語った。

 東京大学医科学研究所教授の河岡義裕さんからは、「自分がつらいときでも思いやりを忘れない、優しく強い方だと思いました」との言葉が届いた。

 プロフィギュアスケーターの荒川静香さんは、「お話しされる際の柔らかくも意図のしっかりと伝わる口調、まっすぐ見つめる目力の強さと時折みせるふわっと輝く笑顔に、まっすぐ芯の通った人となりを感じるような瞬間がいくつもありました」と話す。闘病を知ってからは、同じ幼い子を持つ母として、日々の無事を思わずにはいらなかったという。

 女優の松下奈緒さんは、「本日の訃報を受けとても悲しい思いでいっぱいです。私は7年前に対談をさせていただきました。当時撮影中でした『ゲゲゲの女房』のことをとても熱心に聞いてくださり、ご自身もご結婚が決まり、麻央さんのあたたかい笑顔が浮かんできます。いつも凛とされていて素敵な麻央さん。ご冥福をお祈りいたします」。

 麻央さんは、在宅医療を選択し、5月末から自宅で過ごした。両親や麻耶さん、海老蔵さんや子どもたち、大切な家族らに見守られ、旅立った。

 最後の更新となった6月20日付のブログには、笑顔の写真とともに、母親が朝に搾ってくれるオレンジジュースが楽しみである旨が記され、こんな言葉で締めくくられていた。

「皆様にも、今日、笑顔になれることがありますように」

(編集部・大川恵実、澤志保、塩見圭)

AERA 2017年7月3日号に加筆