東京・豊洲の運河や海沿いの公園を小型犬といっしょに散歩する人たち(撮影/羽根田真智)
東京・豊洲の運河や海沿いの公園を小型犬といっしょに散歩する人たち(撮影/羽根田真智)

 犬は「フレンドリー」だけど、は「ツンデレ」。猫好きにはたまらないその魅力が変わるかもしれない。人工増殖と給餌が野生を奪い、「犬っぽい猫」が増えているのだ。2017年は猫が犬の飼育頭数を上回る可能性が出てきた。猫ブームの勢いが止まらない中、ペットの世界に何が起きているのか。AERA 2017年6月19日号では、ペットを大特集。

 飼い犬や飼い猫はペットというより、家族の一員という時代。街を歩いて彼ら彼女らをめぐる最新の話題を探してみた。
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 世帯の平均年収がほかよりも高いといわれる都市部のタワーマンションの住民たち。どんな犬を飼っているのか。東京の代表的なタワマンエリア、江東区豊洲に3日連続で通ってみた。

 タワマンが何棟も立ち並ぶ豊洲で、中心的な商業スポット「アーバンドックららぽーと豊洲」。その周辺は、犬連れがわんさか。ポーズを取らせ、スマホで写真をバシャバシャ撮る飼い主もあちこちに。「赤ちゃん?」と思い、のぞき込んだ“乳母車”には、犬が眠っていた。

「そういえば、この近所の方はワンちゃんをあまり歩かせていませんね。カートに乗せるか、抱っこしているか」

 こう話すのは、ららぽーと内のドッグカフェ「レドゥブルー」店長の陸田真央さん。開業11年目で、客のほとんどはリピーターだ。人も犬もどちらもおいしく食べられるメニュー構成が受けている。

「ワンちゃん用は塩分や糖分がほぼない、素材の肉そのものの味なんですが、『おいしいわ』と一緒に食べる飼い主さんもいます。ワンちゃんに人気なのは、和牛ハンバーグなどですね」(陸田さん)

●種類がわからない犬も

 犬用和牛ハンバーグは820円、ベジスムージー500円というメニューもあったので、「ドリンクとセットで一緒に頼む犬も?」と聞くと、さすがにそれはなく、犬は無料の水を飲むそうだ。

 王道は、トイプードル、チワワ、ダックスフント。ミックス(雑種)も多く、最近はマルチーズ×トイプードルの「マルプー」や、ポメラニアン×チワワの「ポメチワ」もよく見かける。

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