「人形の世界へようこそ!」
【フォトギャラリー】いまどきリカちゃんや小物、ショップ、toyoさんのコレクションルームの写真など
扉を開けると、色とりどりの服を着たリカちゃんがずらりお出迎え。一瞬、リカちゃんハウスに迷い込んだような錯覚に襲われた。ミニチュアで作りこまれた世界。ドールブロガーtoyokaloona(toyo)さんの自宅2階の人形部屋だ。
埼玉県に暮らす主婦。2代目リカちゃん世代のtoyoさんが、人形の世界に「大人再デビュー」したのは2000年。パソコンの購入がきっかけだった。ネットで懐かしのジェニーやリカちゃんたちと再会すると一気に人形の世界に引き戻された。
●人形持参でお泊まり会
さらにネットオークションなどには、子どものころ欲しくても手に入らなかった人形が出品されていた。ひとつ買うとまた次。一気にコレクター道へ入り、その数、約900体。そのうち約150体がリカちゃんだ。部屋の壁面の収納棚には並行して集めた、人形サイズの靴や帽子、ペット、雑誌や太陽の塔まで……いったいどこで手に入れるんでしょう?
「専門のショップや個人の作家、それに食玩や100均にも掘り出し物が出るので要チェックです。(人形サイズの)6分の1スケールでなんでも見る癖がついてしまっています(笑)」
08年、子どもたちに人形のかわいさを伝えたいとブログを始めると、意外なことにコメント欄に声を寄せてきたのは大人たちだった。
「私と同じように、再デビューしている人がたくさんいることを知り驚きました。今ではドル友やリア友になって、お泊まり会や飲み会を人形持参で楽しんでいます」
子どものとき人形遊びから一度卒業した、大人の「再デビュー」がブームとなっている。15年、タカラトミーが大人向けの「LiccaA スタイリッシュドールコレクション」を発売すると初回生産の千体はわずか3日で完売。インスタグラムや専門店の登場がブームを加速している。
「お気に入りリカちゃんを連れていきますね♪」
そう言って取材場所に現れた、インスタグラマーのかいりさんとatsukoさん。バッグの中からは次々とリカちゃんが登場。とてもひとつには絞りこめなかったようだ。3代目リカちゃん世代のかいりさんは言う。
「大人になってからの人形遊びのほうが、子どものころよりも楽しい」
●リカちゃんインスタ
自分の財力で好きに買えるのに加え、自分の趣味もはっきりしている。子どものころは家が近いからという理由で遊ぶ友だちが多かったが、いまはインスタで趣味の合う人とつながれるのでより楽しいのだという。
atsukoさんは40代の会社員。2代目リカちゃん世代で、大人再デビューしたのは14年。東京・六本木ヒルズで開催されたドール・カルチャー展がきっかけだ。会場ではLCが、好きなリカちゃんと服、小物を組み合わせられるイベントを開催。そこでボブヘアのリカちゃんに出会った。
「最近のリカちゃんってこんなに洗練されてかわいいの!?ってびっくりしました。その子をアップしたのがリカちゃんインスタの始まりです」
人形服の教室を主宰する、かいりさんも、「最近のリカちゃんはかわいい」という噂を耳にし、1年ほど前からはまった。そんなふたりが大人のための「聖地」と呼ぶ場所がある。