経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。
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文部科学省の極秘情報とされる人事案が同省全職員にメールで一斉送信されてしまったという事件がありました。その対策としてなんと! 今後機密事項についてはメールを使用せず、紙でやり取りをする、と言うのです。え! 紙ですか!?
誰かがそれをコピーしてばらまいたらどうするんでしょうかね。メールの誤送信はあっても紙の誤配達はない、と確信しているんでしょうか。日本の教育を担う文部科学省がこんな決定をするようでは日本の子どもたちの将来が本当に心配です。IT社会を全く理解していない。
だいたい、いまだにメールに様々なドキュメントを添付して送るという役所が多すぎる。私も仕事上、役人のみなさんとお付き合いがありますが、エクセルだのワードだのが添付されて送信されてきます。しかしこれは実に危険で、文部科学省のケースのように送り間違えたら一発でアウト。取り戻すことも、取り消すこともできません。