通常は2週間程度で結果が送られてくる。記者の場合は、牛乳、ホエイ(乳清)、ヨーグルトに強レベルのアレルギー反応が見られた。カゼイン、カッテージチーズ、あわび、バニラにも中程度の反応。同時に受けた男性カメラマンは、全項目が低反応以下という結果だった。頭痛、慢性疲労、冷え性、肌荒れ。思い当たる症状は多数あり、何かしらアレルギーがあるだろうと思っていたが、大好物の乳製品だったとは。どんな食品で代替ができるのか、まずは食生活を見直してみようと思っている。

 食べすぎによる肥満だと思っていたものが、実はアレルギー体質の結果だったとしたら。IgG抗体検査は、ダイエットの新常識になるかもしれない。

 だが、それには懐疑的な見方もある。日本アレルギー学会は昨年、「食物抗原特異的IgG抗体検査を食物アレルギーの原因食品の診断法としては推奨しない」とする注意喚起を出した。その理由として、

(1)食物抗原特異的IgG抗体は食物アレルギーのない健常な人にも存在する抗体である。(2)食物アレルギー確定診断としての負荷試験の結果と一致しない。(3)血清中のIgG抗体のレベルは単に食物の摂取量に比例しているだけである。(4)よって、このIgG抗体検査結果を根拠として原因食品を診断し、陽性の場合に食物除去を指導すると、原因ではない食品まで除去となり、多品目に及ぶ場合は健康被害を招くおそれもある──を挙げている。

 IgG抗体検査のエビデンスが十分でなく、検査後に行う食物除去で、摂取する栄養素に偏りが出ることのリスクを懸念しているわけだ。特に成長期の子どもの場合など、間違った除去食はアレルギーより重大な問題にも発展し得る。

 アレルギーのある食物をただ除けばよいのではなく、その食物でとっていた栄養素を他の食物で補うことが必須だ。実施する場合は、医師や栄養士の指導のもとで行ったほうがいいだろう。

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