女性政治家としてのジレンマを尋ねると「企業で働く女性も含めた社会全体の問題だ」と繰り返した。政府は2020年までに女性管理職を30%に増やす方針だが、政界が変わらずして社会の変革は起こりうるのだろうか(撮影/写真部・加藤夏子)
女性政治家としてのジレンマを尋ねると「企業で働く女性も含めた社会全体の問題だ」と繰り返した。政府は2020年までに女性管理職を30%に増やす方針だが、政界が変わらずして社会の変革は起こりうるのだろうか(撮影/写真部・加藤夏子)
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 日本の衆参両院の国会議員(717人)のうち、女性は94人。世界を見渡しても、日本の国会議員の女性比率は低い。彼女たちは男社会の永田町でもがき、懸命に闘っている。オヤジ化した自分と決別する女性議員も出始めた。丸川珠代参議院議員(45)=五輪担当相=に話を聞いた。

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 男女雇用機会均等法が施行されて約30年。女性を取り巻く状況は大きく変わってきましたが、女性政治家に限らず、働く女性が抱える悩みや迷いは同じだと感じます。その内容は個人の環境や年齢によって異なるので、それをいかにくみ取って社会に還元していくかが重要です。

 私は41歳での高齢出産だったので、年をとった母や祖母が子育てをサポートしてくれる度合いも年々少なくなりますし、すでに介護が必要な祖母の問題にも直面しています。子育てと介護を同時にこなすのは、これからの時代の課題です。働くお母さんの気持ちを代弁するのが今の私の使命だと思っています。

 政治家に立候補する女性がなかなかいないのと同じで、管理職になりたいという女性が少ないのも女性活躍推進の壁の一つです。現状だと、管理職として働く女性はスーパーウーマンだわ、と先回りして尻込みするのは当然だと思います。

 小池百合子都知事が、洋服に穴を開けなくて済むマグネット式の東京五輪のバッジをつくりました。「発想を変えてみたらいいんじゃない?」とそばでアドバイスしてくれる人が必要です。そんな支え合いや、仕事内容、役割分担の見直しなどの働き方改革を進め、社会全体の構造を変えていきたいですね。(構成・編集部・竹下郁子)

AERA 2016年11月14日号

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