●背景に“パリピ”とSNS
さらに原田さんはブームの背景にSNSとの親和性を指摘する。仮装して仲間と盛り上がる様子をアップしたり、イベントで知り合った人とアカウントを教え合ったり。“リア充”なパリピの姿はSNSを通じて「パンピー(=一般ピープル)」と呼ばれるその他大勢の普通の若者たちにも浸透していく。
「去年、仮装して街を歩いたのはパンピーが多く、ブームを作ったパリピたちはすでに冷めていた。ハロウィーンは普及しきった感があります」(原田さん)
“パンピー若者”以外にブームの波及著しいのは、「ママ友コミュニティー」だ。
「毎年子どもの幼稚園時代のママ友とパーティー。女王様やメイドなどに仮装し、むしろママたちの発散の場に(笑)」(東京都・主婦)
「公園で仮装した子どもを遊ばせながら、昼間からビールで乾杯!」(同・イラストレーター)
一般的なのは、仮装した子どもや母親らがお菓子をもらいに商店街や自宅近辺を練り歩く姿。微笑ましい光景だが、
「リッチなヤングファミリーが多い二子玉川は、10月になるとイベントが花盛り。コスプレした子どもが走り回り、それをスマホで撮りまくる親がいて……おちおち歩けない」(同・主婦)
「外国人のお宅の仮装が本格的すぎて、驚いた子どもが道に飛び出すのを目撃しヒヤッ! その子の母親はおしゃべりに夢中で気づかなかったみたい」(同)
こんな声もちらほら。
●仮装きっかけに社内交流
“祭り”は職場にも広がり、ベンチャーや外資系を中心に会社を挙げてのハロウィーンイベントも増えている。ケータリングサービスなどを手がけるスターフェスティバルでは、ハロウィーン当日、内勤社員は仮装したまま業務を行い、終業後にはコンテストを開催。同社プログラマーの島田慧さん(31)は毎年気合十分で参戦する。
「以前はハロウィーンにはまったく縁がなかったのですが、この会社に入社したのをきっかけに仮装に挑戦。ハマりました」
去年は2メートルほど伸びるトリッキーな魔女で2位入賞。今年は4歳の息子がウルトラマン、自分は段ボールとカーテンの怪獣で親子仮装に挑戦する。
同社がこうしたイベントを盛り上げるねらいは、社員同士のコミュニケーションだ。