平和な日常に現れるモンスターを迎え撃つのは白血球やマクロファージなどの細胞たち。そして妊娠中の子宮で起きる出来事を物語にしたマンガまで。人体は謎とドラマに満ちているのだ!
免疫や妊娠の仕組み、「身体」を舞台にした、「人体コミック」が続々と登場している。たとえばブログからSNSで話題になって、単行本化されたのは『子宮の中の人たち』だ。
●人体は毎日が戦場
また、新人の作品ながら、コミックス3巻の累計で75万部を売り上げているのが、清水茜『はたらく細胞』。
平和な日常に侵入してくるモンスター(細菌など)とそれを阻む免疫細胞との凄惨な戦いを描く──と書くと、まるでSFのようだが、タイトルどおり人体を舞台に細菌や熱中症と戦う細胞たちの活躍を描くスペクタクル。
登場するキャラクターは、白血球に赤血球、キラーT細胞、マクロファージと、擬人化された細胞たち。彼らがいる「この体」は熱中症やニキビ、おたふく風邪などに次々とかかる。
元気で当たり前と思っている自分の体内で、こんな死闘が日々、繰り広げられているとは。読了後、思わず体に「ありがとう」と言いたくなる作品だ。
「細胞を擬人化したマンガというアイデアは、妹から言われたもの」と、著者の清水さん。「季節に合わせて、梅雨なら食中毒、夏なら熱中症と誰もが知っている症状をネタにしています。また、『この細胞はこんな能力があるから、こういう症状を起こそう』とキャラクター先行で考えることもあります」(清水さん)