一人ならば、なんとか目指せるキャリアも、2度のブランクの影響は大きいのか?

「忙しい部署では、連続産休に対して、周囲は辛辣ですよ」

 2児の母であるアパレルメーカーで働く女性(44)はそう話す。女性自身、二人目を妊娠中に切迫流産になり、突然会社に行けなくなった経験がある。

「10年以上前のことです。しっかり準備して引き継いで、晴れて産休のつもりだったのに、急に絶対安静で入院。その後、無事出産でき、職場のフォローに感謝しています。当時は楽な部署だったのが幸いでした」

●独身女性の怒りMAX

 ところが子育てが一段落した今、後輩たちを取りまとめる立場になり、心中は複雑だ。多忙な部署なのに、育休復帰したばかりの一番若手の女性が先日、半年も空けずに再び妊娠したからだ。彼女は一人目の出産で、切迫流産で入院していた。

「そのときは私と30代後半の独身女性たちに、彼女の仕事が降りかかったのですが、正直、本当に大変だった。でもその頑張りは人事評価されない。会社の制度に問題があります」

 そう話す女性は、立場が変わると、連続出産で負担のかかる同僚たちの心情が理解できる。

「二人目妊娠中の若手社員は幸せオーラいっぱいで、体を気遣いマイペースで仕事中。『辞めて産め!』と愚痴る独身女性たちの怒りはマックスです。私自身、そうした声が怖くて、二人目は4年空けましたから……」

 ではキャリアを気にしない専業主婦なら、二人目をためらわず産めるのだろうか? 妻は専業主婦、大阪府在住で銀行員の男性(40)はこう話す。

「子どもは二人欲しかったけど、妻に拒絶された。家は親の持ち家だし、一人っ子の娘は国立の幼稚園。このまま国立なら教育費も十分余裕はあるのに、この数年、妻は会話すらしない」

 なぜこれほどまで拒絶されるのか? 思い当たるのは、自分のキャリア優先の生活だ。

「本当に忙しくて、5年前の出産から、まともに家にいたのは日曜、祝日ぐらい。娘が怪我をしたときは病院に送迎しましたが、普段家事はしていません」

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