チャート(「東京都環境科学研究所年報2004」を元に編集部で作成)
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大阪の寝苦しさは日本一!(数値は「5年移動平均」。各管区気象台データから大阪府が作成)
大阪の寝苦しさは日本一!(数値は「5年移動平均」。各管区気象台データから大阪府が作成)

 夏になるとしきりに熱中症対策が叫ばれるようになったのは、いつごろからだろうか。もはや「こまめに水を飲む」「暑さを我慢しすぎない」は常識。対策も、限界にきている。

【東京・大阪「暑さ」の正体】

 ビジネスパーソンの主戦場は大都市。その大都市の暑さが、ハンパじゃない。暑さを制するには、暑さの実態を知ることだ。「比較的涼しい場所」も見えてきた。

 気象情報会社ウェザーニューズ社で「猛暑を災害として認識する」という意識が高まったのは、2010年のことだ。熱中症で亡くなった人の数が千人を超えたこの年の猛暑以降、熱中症の危険度を2段階にして「最大危険レベル」を設定し、注意を促すようになった。

 ウェザー社の担当者は言う。

「雨と違い、猛暑の危険性は伝わりにくい」

 特に、急に気温が高くなる梅雨明け前後の時期は、厳しい暑さの続く盛夏の猛暑日より「暑い」と強く感じる人が多い。単純な気温や湿度だけではなく、「人がどれほどの暑さを感じているか」という観点でもデータを集め、熱中症のアラームを出すように心がけているという。

 実際、人に「暑さ」を感じさせるのは気温だけではない。いま、日本の都市は気温以上の暑さにさらされている。

●猛暑日が倍増している

 気象庁によると、東京都心では10年から昨年までの6年間に、35度以上の猛暑日を合計で51日間観測している。04年から09年までの6年間では21日間だったので、倍以上に増えたことになる。この過酷な暑さをもたらしているのは、地球温暖化を上回るスピードで進むヒートアイランド現象だ。

「この100年で、東京は年間の平均気温が約3度上がっています。地球温暖化の影響は1度で、2度はヒートアイランド現象によるものとみられます」

 そう話すのは、東京大学大気海洋研究所の木本昌秀教授だ。

 都市の気温が周囲よりも高くなるヒートアイランド現象。主たる要因はエアコンや自動車、工場などによる「人工排熱」だと考えられている。だが、首都大学東京大学院都市環境科学研究科の高橋日出男教授はこう説明する。

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