英王室の人気ランキングでは常に上位で、トップに君臨することもたびたびだったウィリアム王子(中)。10代のころ、彼のブロマイドは多くの少女の部屋を飾った(6月11日、バッキンガム宮殿のバルコニー/Getty Images Europe)
英王室の人気ランキングでは常に上位で、トップに君臨することもたびたびだったウィリアム王子(中)。10代のころ、彼のブロマイドは多くの少女の部屋を飾った(6月11日、バッキンガム宮殿のバルコニー/Getty Images Europe)
この記事の写真をすべて見る

 英王室きっての人気者だったウィリアム王子。国内はもとより海外でも抜群の評判の良さだったが、逆風が吹いている。

 不動の人気を誇ったウィリアム王子(34)が、このところ思いがけず逆風にさらされている。風向きが変わったきっかけは、今年3月上旬の一家4人のお忍び旅行。フランス・アルプスでのスキー休暇は、一人のカメラマンに撮影された写真でイギリス帰国後に公になった。これまで英王室のスキー旅行といえば、最初の日はメディアに公開されると決まっていた。王子は母ダイアナ元妃の早すぎる死にパパラッチが関係しているとして、メディアを嫌う傾向が強い。

●仕事嫌い王子とあだ名

 すぐに、家族のプライバシーを尊重するあまりメディアとの慣例を破った王子への一斉攻撃が開始された。引き合いに出されたのは王子の働きぶり。昨年の公務数が、95歳のフィリップ殿下よりもはるかに少なかったことが持ち出された。それなら救急ヘリコプター操縦士としての勤務状況はどうか。これも1カ月に80時間程度しか働いていなかった。さっそく「ワークシャイ(仕事嫌い)プリンス」「ステイ・アット・ホーム・パパ」とあだ名がつけられた。その後1日に4件の公務をこなしたところ「批判をかわすため」と指摘されたので、「予定されていた仕事をしただけ」とわざわざ説明しなくてはならなかった。

 4月中旬にはキャサリン妃(34)と共にインド、ブータンに外遊した。大切な二つの国を訪れたのに、わずか1週間ほどの日程ではあまりに急ぎ足であるとの不満が国内外から寄せられた。かつてのエリザベス女王(90)夫妻のインド旅行は半月以上かけていた。これは留守番をするジョージ王子(2)とシャーロット王女(1)に寂しい思いをさせないためとの臆測が飛び交った。

 それでなくとも繊細なところがある王子は、子どもの誕生後「ささいなことにも胸がいっぱいになる」と明かしたことがある。母が悲劇的な死を迎えた36歳に近づくにつれ、「子どもたちといつまで一緒にいられるだろうか」と不安を口にする。しかしそれに対しても、「あまりに感傷的」「育児より公務を」との声は続いた。

次のページ