STAP騒動から約2年。渦中にいた小保方晴子氏が、「婦人公論」で作家の瀬戸内寂聴氏と対談した。注目が集まったそのやり取りを読むと……。
小保方:『あの日』(注・小保方氏の手記)は失恋の物語です。何より愛していたものを失った、失恋の話として私は書きました。
瀬戸内:(中略)失恋は必ずするんですよ、みんな。また恋愛は生まれます。
7ページにわたる「婦人公論」での小保方晴子氏と瀬戸内寂聴氏の対談では、やり取りのほとんどが2人のこれまでの人生の思い出話など。「研究不正」疑惑を覆すようなことは1行も書かれていない。
数少ない言及から拾うと、瀬戸内氏は当初、『あの日』を読むまでは「報道を信じて、すべてあなたが企てたことだと思っていた」という。だが、小保方氏の手記を読んで、「この本を読まなければ、真実を知りえなかった」と考えを変えたらしい。
しかし──ある人物の語る「真実」が、科学的・歴史的事実であるとは限らない。
この対談は、気になるトーンに満ちている。
「あなたたちの説を、引き継ぐ人はいるの?」と尋ねる瀬戸内氏に、小保方氏はこう答えた。
「最近、私たちが発表したSTAPという名がついた論文が発表されました。まるですべて握りつぶされたわけではなく、バトンは繋がっていたのだなと思いました」
「STAPという名がついた論文」と小保方氏が言った論文は、5月半ばにインターネット上で話題になったものと思われる。