5月5日、ウエストバージニア州チャールストンで開かれた集会で支持者らの前に立つドナルド・トランプ氏。共和党内からも反発が起きている(写真:gettyimages)@@写禁
5月5日、ウエストバージニア州チャールストンで開かれた集会で支持者らの前に立つドナルド・トランプ氏。共和党内からも反発が起きている(写真:gettyimages)@@写禁
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 ドナルド・トランプ氏の共和党大統領候補指名獲得が確実視されている。6月に予備選のあるカリフォルニア州で、イスラム教徒たちが声を上げ始めた。

「イスラム教徒を入国させるな。米国から完全にシャットアウトすべきだ」

 ドナルド・トランプ氏のこの発言が飛び出したのは、昨年12月。カリフォルニア州サンバーナディーノ地区で、イスラム教過激派の夫婦が住民14人を射殺する銃乱射事件が起きた直後のことだ。妻には、パキスタンから婚約者ビザで米国に入国していた過去があった。

 批判が巻き起こる一方で、トランプ氏の支持率は上昇。テッド・クルーズ氏の撤退でいまや、トランプ氏が共和党の大統領候補指名を獲得することが確実視されている。

 銃乱射事件の現場のあるカリフォルニア州は、6月に予備選が行われる最後の大票田。イスラム教徒たちは、「真のイスラム教徒」を知ってもらうための草の根運動を始めている。

 同州チノ地区のベイトール・ハミード・モスクでは、1千人近いイスラム教徒たちが「イスラム教徒とは誰なのか」を地域住民に伝えるためのオープンハウスを開いた。普段、信者ではない地域住民がモスクに足を踏み入れることはまずない。地元の政治家や警察幹部などを招き、食事を用意して、語り合いたかったことは何なのか。

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