世界から8万人の学生が殺到する?(※イメージ)
世界から8万人の学生が殺到する?(※イメージ)

 ワークスアプリケーションズのインターンシップは、自分の頭で考える力を徹底的に鍛える。エリートの卵たちが注目するそれは、学生たちに思考の変革を起こしている。

 昨年のクリスマスイブ。大阪市内の住宅街にある花屋の2階で、テーブル上のノートパソコンを6人がのぞき込んでいた。このうち3人は、ここに事務所を構えるNPO法人Co.to.hana(コトハナ)の職員。彼らに向き合う3人が、2カ月半かけて開発した、ある業務システムの使い方の説明を始めた。

 その一人、吉永稔弘さん(23)が、金券に刷られたバーコードに、読み取り端末をかざしたときだ。「ピッ」と電子音がすると、パソコンの画面に〈先ほど読み込んだものと同じです〉というバナーが出た。「おおー」と、見守る5人が声を上げる。吉永さんたちが組んだプログラムが、不適切な操作を正しく見抜いたのだ。会員登録の仕方や領収書の発行方法を約1時間かけて、一通り説明した。

 吉永さんたち3人は、まだ学生だ。彼らだけではない。当時開発に携わった6人のメンバー全員が学部生か大学院生で、大半が今年、就職活動に臨む。彼らは、インターンシップの一環でこうした開発に挑戦した。 自分の頭で考え、理想の答えを導く能力を引き出す──。そんな場を学生たちに用意しているのが、ワークスアプリケーションズ(東京都、牧野正幸CEO)。

 この会社は会計や人事管理、給与計算など企業向けの業務システムで国内シェアトップのベンチャー。最も力を入れる分野の一つがインターンシップに代表される人材育成なのだ。

 ワークスのインターンで学生たちは、自分の頭で考え抜く能力を徹底的に鍛えられる。学生たちの間でもその評価は高く、2015年は全世界から約8万人が参加を希望。論理的思考力を測る独自の筆記試験やグループディスカッションなど、複数段階の選考を経て、選ばれたおよそ2500人が実際にインターンに臨んだ。

 参加者の大学は国内の有名大学に加え、インド工科大学、中国の清華大学や北京大学、シンガポール国立大学などで、世界のエリートの卵も多い。

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