学校向けのSNS「ednity」を使い、生徒が投稿した考えを全員で共有する授業が進む。思考の可視化のほか連絡や資料の共有にも活用(撮影/ライター・三宮千賀子)
学校向けのSNS「ednity」を使い、生徒が投稿した考えを全員で共有する授業が進む。思考の可視化のほか連絡や資料の共有にも活用(撮影/ライター・三宮千賀子)

 インターネットを駆使し、情報活用力を向上させるICT(Information and Communication Technology)教育。高校などで取り入れられつつあるが、導入に当たっては課題もあるようだ。

 奈良県でもICT教育を進める。観光都市奈良というテーマで、県立高校の生徒たちがICTを活用して行ったのは、観光地でスマホをかざすとコンテンツが再生されるプロジェクト。県教育委員会事務局学校教育課長の大西英人さんも、ICT教育のカギは教員の指導力にあると話す。

「教員のICT活用指導力の向上が重要。研修などで学んだ教員が、授業実践を積みながら成功事例を共有し、さらに多くの教員に働きかけてほしい」

 県内では、16年度から奈良市立一条高校で、生徒個人のスマホを授業で徹底利用する取り組みがスタートする。動画やアプリを使い、大学入試改革も見据えた学習だ。

 こうした事例から、今までの授業スタイルを変えにくいと感じている進学校も、本格的にICT教育を取り入れるきっかけになるのではないかと期待されている。ただ一条高校に今春入学する生徒の母親(40)は、まだ具体的なICT教育のイメージがわかず不安もあると話す。

次のページ