レオナルド・ディカプリオの初受賞の話題もあった今年のアカデミー賞。司会の皮肉満載のジョークの連続に、記者の隣席の白人女性は終盤笑顔を失った(写真:gettyimages)@@写禁
この記事の写真をすべて見る

 2年連続白人のみのノミネートで物議を醸した今年のアカデミー賞。会員などごく一部しか入れない授賞式に、朝日新聞記者が入った。

 今年は演技部門の候補20人が2年連続で白人ばかりに。憤った黒人のスパイク・リー監督や俳優ウィル・スミスらが抗議の授賞式欠席を宣言、ソーシャルメディアでも批判が渦巻いた。

 会場の外では黒人らが抗議の気勢を上げていたが、会場に入り客席を見渡すと、大半が正装の白人。それもそのはず、主催する映画芸術科学アカデミーの投票権のある会員6261人のうち、ロサンゼルス・タイムズによると白人が91%と圧倒的だ。

 シドニー・ギャニス元アカデミー会長(76)は「会員は意識的に白人に投票しているわけではない」と強調する。だがカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)によると、2014年の米映画の主要キャストは白人87.1%に対し、非白人が12.9%。全米の非白人比率の約4割にはるかに及ばない。製作決定権を握るスタジオ経営陣に至っては9割以上が白人だ。

「黒人ノミネートなしの年なんて他にも71回はあったけど、1950~60年代は抗議なんてなかった。だって当時はレイプやリンチに遭ったり、現実の問題へのデモに忙しかったからね!」

 司会の黒人コメディアン、クリス・ロック(51)が冒頭からどぎつい人種差別ネタをぶち上げたが、リベラルを自任するハリウッドの白人らは大きな拍手や笑いで迎えた。だが昨年話題になった黒人映画の舞台の地区で彼が一般黒人をインタビュー、「白人を叩いてやりたくなった?」「危うくね」と男性とやり取りした映像まで流すと、引いた空気が周囲に漂い始めた。

次のページ