
子どもが自主的に学ぶ姿勢を育む「アクティブラーニング」(AL)が日本でも注目されている。日本では学校でALが難しい場合、習い事にそれを求めることが多いようだ。一方、海外では習い事をどのようにとらえているのか。
教育現場でALが浸透しているアメリカの親たちは、習い事をどう考えているのか。アメリカで子育て経験があり、『アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた』などの著書がある小国綾子さんはこう話す。
「アメリカでは『皆がやっているから』と習い事をさせ、横並びを目指す発想はないです」
だから日本の親のように、わが子だけ授業の水泳で落ちこぼれないようにといった負担はない。もっともこんな大変さも。
「スポーツや芸術分野の活躍が大学の入学申請書で評価の対象になるため、少しでも早くわが子の才能ある分野を見つけたいと、数多くの習い事をさせる家庭も。裕福な家庭はやはり熱心ですね」(小国さん)
ではアメリカの親たちが習い事に求めるのは何か?
「自信です。うちの子が野球で学んだことも、それのみ(笑)。わざわざ子どもを格下のチームに移籍させ、『エースで4番』を体験させてわが子に自信をつけさせる、という選択をする家庭もよく見ました。ただ親がどこまで介入していいかは、みんな悩んでいました。自分で考えて、選ぶ力を身につけさせる。そうして自分で決めた、自分でがんばれたという経験を通じて本物の自信になればいいと思います」(同)
親が上手に敷きすぎたレールに、勝手に乗せることで、子どもが受け身になってしまうこともありうるのだ。
※AERA 2016年2月1日号より抜粋