「大きさ50マイクロメートルのネコの目が敷き詰められているようなマントだと想像してください。ネコの目は光をそのまま反射するので、暗闇で光って見えるのです」
まず、カメラで写した背景の映像をプロジェクターで投影。プロジェクターから出た光は、光の一部を透過させるハーフミラー(マジックミラー)で反射して、マントに当たるとそのまま正面に返る。その光はまっすぐマジックミラーを通り抜け、観察者の目に飛び込んでくる。
つまりマントが、背景を映し出す立体的なディスプレーの役割を果たしているのだ。
「マントが白衣や鏡では不可能。光はいろんな方向に拡散されてしまうので、映像が暗くなり、服のしわの影響も出てしまう。入ってきた方向に光をそのまま返す再帰性反射材がポイントです」(稲見教授)
※AERA 2016年1月11日号より抜粋
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