10月には「ツタヤ図書館」の2例目となる神奈川県海老名市の市立中央図書館がリニューアルオープンしたが、共同運営する図書館流通センターが一時、関係解消を申し入れるなど揺れ動いた。CCCとの連携で新図書館建設の計画があった愛知県小牧市では、住民投票の結果いったん白紙に。

 一方、無料で本を貸す図書館に対して、本を供給する側の出版社・作家からは新刊本の貸し出しの1年猶予を求める声も出た。本の売り上げ減少の一因になっているとの主張だ。
 
 06年1年間で約2億4千万人だった公共図書館の来館者数は右肩上がりに伸び続け、14年には約3億2千万人に。図書館自体の数も増えているが、出版不況は止まらない。

 多様な図書館のあり方について、しばらくは議論の火が消えないことだろう。

AERA  2015年12月21日号より抜粋