“常識”が覆されつつある?(※イメージ)
“常識”が覆されつつある?(※イメージ)
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 待機児童が多い都市部では、新規の定員が少ない1歳児での入園は厳しいとされ、0歳児のほうが入園しやすいと目されてきた。だが、その“常識”が覆されつつある。

「保育園を考える親の会」は2015年5~8月、首都圏の主要市区と政令指定都市など100自治体の保育サービスについて調査した。申込者のうち新規・継続で入園できた子どもの割合(利用決定率)を調べたところ、回答した99市区のうち、4分の1の25市区で、1歳児より0歳児のほうが入りにくかった。しかも世田谷区、目黒区など待機児童の多い都心部で、10ポイント以上の差をつけて0歳児のほうが入りにくいという結果になっていた。

「09年度までは明らかに0歳児のほうが入りやすかった。このため1歳児になると入れないのではという危機感が広まり、0歳児の時点で申し込む人が増えたのではないでしょうか」と、同会代表の普光院亜紀さんは推測する。

 都市部では、保活の一つの方法として、認可の選考前に認可外に子どもを預ける人もいる。「保育の必要性がある」と判断され、選考指数に「加点」がついたり「優先順位」が上がったりと有利にはたらく自治体が多いからだ。ここ数年、認可外に預け始める月齢も早期化する傾向がある。

 例えば、子どもが8月生まれの場合、育休を1年取って翌年8月に年度途中で認可に預けるのは不可能に近い。8月からは認可外に預け、次の4月に認可の1歳児クラスでの入園を目指すのは激戦とされ、復職時期によっては入園選考で出遅れる。

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