「夫婦関係がこじれると、けんかの『原因』と『きっかけ』が混同され、きっかけつぶしが延々と続く悪循環に陥りがち」

 例えば、妻が忙しく皿洗いをしているのに夫は手伝おうとせず、妻が不満だったとする。では、食洗機を買えば解決するのか? 多くの場合、それだけでは解決しない。皿洗いはけんかのきっかけに過ぎず、本当の原因はほかにあるからだ。

「人はなぜわざわざ結婚をするのか? そこに期待があり、その期待が満たされないから不満が生じるのです。恋人同士は出会ったときは相手の話を一生懸命聞こうとします。相手の心の動きを自分の中に再現し体験をしようとする。そこに共感が生まれ、話し手はわかってもらえたと感じる。愛されている実感を得るのです」(西澤さん)

 夫婦げんかの怒りをおさめる方法もシンプルだ。相手の話を主体的に聞き込み、相手がわかってもらえたという実感を得られれば怒りは静まる。

「上司に対する愚痴でもなんでもいい。日頃からときどきはパートナーの話を主体的に聞き込むことです。愛されているという実感がある程度満たされれば、夫婦仲は保てます」(西澤さん)

AERA  2015年10月19日号より抜粋

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