睡眠は長すぎてもダメ!
睡眠は長すぎてもダメ!
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 肥満防止、ダイエットのためには運動や食事管理が大事。だが、実はここに「睡眠」も大きく関わってくることがわかってきた。

 肥満と睡眠との密接な関係を指摘するのは、東京慈恵会医科大学附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科の坂本昌也医師だ。

「複数の研究結果で、睡眠時間が短すぎても長すぎても、太りやすいと報告されています」

 世界的な医学雑誌に掲載された研究では、「最も太りにくいのは、睡眠時間が6~8時間の人」だと報告されている。別の研究では、徹夜をすると「かつ丼大盛り」に相当する950キロカロリーを深夜に摂取する傾向にあり、脂質の摂取量が増大するという結果もあった。坂本さんは言う。

「徹夜すると、バランスの悪い太りやすい食事傾向になる。しかも、本来寝ている時間帯は副交感神経が優位になるのでエネルギー消費が落ち、“普通の食事”でさえ昼より太りやすい」

 睡眠時間が短いと食欲抑制ホルモンの分泌が減り、食欲増進ホルモンの分泌が増えるという研究結果もある。では、なぜ睡眠時間が長すぎても太るのか?

「8時間以上寝ると睡眠の質が悪くなり、体内時計を狂わせたり、寝だめなど悪い生活習慣を招き、肥満の要因になると考えられます」(坂本さん)

※AERA 2015年7月20日号より抜粋