『フランス人は10着しか服を持たない』Amazonで購入する
『フランス人は10着しか服を持たない』
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『フランス人は10着しか服を持たない』という本が60万部超の売れ行きを見せている。10着でオシャレに洗練された暮らしをするフランス人に、「もったいない」とため込みがちな日本人は憧れる。果たして、フランス人は本当に10着しか持たないのか?シンプルライフの根底にある哲学は?それを知りたくて、パリに飛んだ。

 庶民的なエリアのパリ17区にあるアパルトマンに住むのが、フリーランスのPR、デザイン・プロジェクト・コーディネーターとして働くマリー・ド・コセット(33)。『フランス人は10着しか服を持たない』という本が日本で話題だという話を振ってみると、「えー、私はちょっと違うタイプかも…」と、大笑いしながら言った。

 クローゼットの中身も「10着」とはほど遠そう。

「祖母の服も母の服も、良いと思う服はすべて取ってあるから結果的に多くなってしまった。でも、自分自身ではあまり買わない。ちゃんと歴史やストーリーがある服が好きなんです」

「たとえば」と言って、彼女が取り出してきたのは、なんと母親が初任給で買ったというジャケット。

「実際に着ているわけじゃないよね」と突っ込むと、「着ているに決まっているでしょ!」。

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