気づかぬうちに「ブラックリスト」に登録される若者が増えている。背景にはスマホの存在もあるようだ。
都内に住む大学2年生の女性Aさん(19)が昨年暮れ、百貨店で買い物をするため、その百貨店のクレジットカードをつくろうとしたときのことだ。店員に、こう告げられた。
「お客様、申し訳ありませんが、カードはおつくりできません。理由は言えませんが」
Aさんは過去の未払いを思い出し、「ブラックリスト」に登録されているのでは、と直感。母親と民間の信用情報機関「シー・アイ・シー」(CIC、東京都新宿区)を訪ねた。
CICにはクレジットカード会社など約980社が加盟。会員企業が保有する信用情報(個人の属性・契約内容・支払い状況・残債額など)を集め、会員からの照会に応じて情報提供している。Aさんは、そこで自分の信用情報が印字された紙を見せられた。すると、支払い状況の欄に「異動」の文字──。
CICによると、この場合の「異動」は、「通常と異なる動き」のこと。これが俗にいう「ブラックリスト」だ。
「返済月から3カ月以上、支払いの遅れがあった場合、異動として登録されます」(担当者)